セクターポリシー

コンコルディア・フィナンシャルグループは、環境・社会に対する負の影響を助⻑する可能性が⾼い資⾦使途の投融資への取り組みについて、融資等を慎重に判断して環境・社会への負の影響を低減・回避するよう、「セクターポリシー」を定め、「セクターポリシー」の枠組みの中で投融資におけるサステナビリティに関するリスクを管理しています。

なお、「セクターポリシー」に基づく投融資におけるサステナビリティに関するリスクは、「ALM・リスク管理会議」において管理・審議をおこない、取締役会が監督しています。今後も「セクターポリシー」は、⾃社の事業活動や外部環境の変化等に応じて随時⾒直していきます。

セクターポリシー

私たちコンコルディア・フィナンシャルグループは、取引を通じて環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高い資金使途の投融資に関し、慎重に取引を判断することで、環境・社会への負の影響を低減・回避するように努めます。

1.ガバナンス

  • 本セクターポリシーは、環境・社会に関する投融資方針を定めたもので、環境・社会課題やリスクを適切に把握・管理するために構築しています。
  • 本セクターポリシーは、経営会議で決定し、取締役会が監督しています。
  • 本セクターポリシーの理解を深めるため、全役職員に対して教育研修等を継続的におこない、規程や手続きを遵守することを周知徹底します。
  • 環境・社会課題やリスクの管理に際し、お客さま、投資家、各イニシアティブなど、様々なステークホルダーとのエンゲージメント(対話)をおこない、本セクターポリシーの実効性を高めていきます。

2.セクター横断的に投融資を禁止

環境・社会に対する重大なリスクまたは負の影響を内包すると考えられることから、以下の事業を資金使途とする投融資はおこないません。

  • 違法目的の事業
  • 公序良俗に反し社会通念上許されない事業
  • ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業
  • ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業(当該国政府およびUNESCOから事前同意がある場合を除く)
  • ワシントン条約に違反する事業(各国の留保事項には配慮する)
  • 児童労働、強制労働をおこなっている事業

3.セクター横断的に投融資に留意が必要

環境・社会に対する重大なリスクまたは負の影響を内包すると考えられることから、以下の事業を資金使途とする投融資を検討する際には、リスク低減・回避に向け取引先の対応状況を確認し、慎重に取引判断をおこないます。

  • 先住民族の地域社会へ負の影響を与える事業
  • 非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業
  • 保護価値の高い地域へ負の影響を与える事業

4.特定セクター

① 石炭火力発電

環境に対し負の影響を及ぼす可能性の高い、石炭火力発電事業を資金使途とする新たな投融資に原則として取り組みません。
ただし、例外的に取り組みを検討していく場合は、国際的なガイドライン等を参考に、発電効率性能や環境への影響、地域社会への影響等、個別案件ごとの背景や特性等に十分注意のうえ慎重に対応します。

② 炭鉱採掘

炭鉱開発は温室効果ガス排出量の増加、炭鉱から排出される有害廃棄物による生態系への影響、炭鉱落盤事故による死傷者の発生、人権侵害等の環境・社会に負の影響を及ぼす可能性があるため、以下の事業を資金使途とする投融資はおこないません。

  • 山頂除去採掘(Mountain Top Removal, MTR)方式で行う石炭採掘事業
  • 新規の発電事業向けの一般炭採掘事業

③ 石油・ガス採掘

石油・ガス採掘事業は、自然環境、生物多様性、住民の生活環境等に負の影響を及ぼす可能性があるため、以下の事業を資金使途とする投融資は、環境、地域社会への影響等を十分に考慮のうえ慎重に対応します。

  • オイルサンド採掘
  • シェールオイル・ガスの採掘
  • 北極圏(北緯66度33分以北の地域)での石油・ガス採掘
  • パイプライン敷設

④ 大規模水力発電

大規模水力発電(出力30MW以上かつダム壁の高さが15メートル以上)を資金使途とする投融資は、ダム建設により自然環境、生物多様性、住民の生活環境等に負の影響を及ぼす可能性があるため、環境、地域社会への影響等を十分に考慮のうえ慎重に対応します。

⑤ 非人道的兵器製造関連

核兵器、生物・化学兵器、対人地雷、クラスター弾の非人道性を踏まえ、これら非人道的兵器の製造をおこなっている企業に対する投融資は、資金使途を問わず禁止します。

⑥ 大規模農園

大規模農園※1開発事業を資金使途とする投融資は、自然環境、生物多様性、住民の生活環境等に負の影響を及ぼす可能性があるため、NDPE※2等の方針の策定状況や環境、地域社会への影響等を十分に考慮のうえ慎重に対応します。

  • ※1
    1万ha以上を対象とする(大豆・天然ゴム・カカオ・コーヒー等の栽培や、放牧地としての利用等を目的とした事業を含む)
  • ※2

    NDPE(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ):主にパーム油セクターの企業によって作られた森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロを掲げる方針。

⑦ パーム油農園開発

森林資源や生物多様性の保全、人権保護の観点から、パーム油農園開発向けの新たな投融資のうち、違法伐採や児童労働などの人権侵害がおこなわれているおそれのある投融資を禁止します。なお、パーム油農園開発向けの投融資は、持続可能なパーム油の国際認証であるRSPO※3等の認証取得状況や地域社会および環境に対する配慮状況に十分注意のうえ慎重に対応します。

  • ※3
    RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議):持続可能なパーム油の生産と利用を促進する世界的に信頼される認証基準の策定をはかる組織。

⑧ 森林伐採

森林伐採事業に対する新たな投融資は、国際認証(FSC※4、PEFC※5等)の取得状況や地域社会および環境に対する配慮状況等に十分注意のうえ慎重に対応します。

  • ※4
    FSC(森林管理協議会):環境保全の観点から適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を理念とする国際的な森林認証制度を運営する非営利団体。
  • ※5
    PEFC(森林認証プログラム):世界の森林の85%をカバーする「持続可能な森林経営のための政府間プロセス」をベースに、各国で個別に策定された森林認証制度の審査およびそれら制度間の相互承認を推進するための国際統括組織。