マネジメントメッセージ

コンコルディア・フィナンシャルグループは、「地域にとってなくてはならない金融グループ」という経営理念のもと、マテリアリティに基づいたビジネスを展開し、ステークホルダーの皆さまとの協創を通して、社会価値および経済価値の創出に取り組んでいます。2025年度からスタートした中期経営計画においても基本テーマの1つに「Sustainability」を掲げ、サステナビリティ経営の確立をはかり、地域社会の課題解決に向けた取り組みを積極的に推し進めています。

パリ協定が採択されて以来、世界のさまざまな国や地域で、「1.5℃目標」、「2050年ネットゼロ」への努力を追求するなか、地域金融機関である当社グループは、「環境の保全・保護」を優先的に取り組むべき重要な課題であると考え、脱炭素社会の実現、自然資本の保全・回復に向けた取り組みを進めています。

私たちは脱炭素社会の実現に向け、「2030年度までに自社のカーボンニュートラル」、そして「2050年までに投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロ」の実現を掲げ、当社グループのGHG排出量を85.4%削減※し、2024年度にはGHG排出量削減の目標設定セクター(「電力」「石油・ガス」「石炭」セクター)におけるGHG排出量の2030年度中間目標を設定するなど、取り組みを加速しています。また、サステナビリティ・リンク・ローンやポジティブ・インパクト・ファイナンスなど、サステナブルファイナンスを中心としたソリューションを拡充し、エンゲージメントを通して、お客さまの脱炭素の取り組みを積極的に支援しております。

そして、「環境の保全・保護」に取り組むうえでは、自然資本の保全・回復への対応も不可欠です。2022年のCOP15において、2030年までのネイチャーポジティブと、2050年までに自然と共生する世界を実現することが定められました。私たちは、地域金融機関として各ステークホルダーと連携し、ネイチャーポジティブの実現に向け、自然資本の保全・回復に貢献できるように取り組んでまいります。

また、持続的な地域社会の発展、企業価値の向上に向けては、「人的資本経営と人権の尊重」も重要なテーマです。当社グループは、「ソリューション・カンパニー」として、人的資本への投資、「人づくり」の強化を進め、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進を通して、多様な価値観を有する社員一人ひとりが、能力を最大限に発揮できる組織づくりにより、個々のWell-beingを起点にした組織風土の醸成・働きやすい職場環境の整備に取り組んでおります。人権についても、「グループ人権方針」のもと、あらゆるステークホルダーの人権を尊重する取り組みを進めています。

サステナビリティに関する取り組みは、それぞれが独立したものではなく、相互に深い関わりあいを持ち、地域社会に対して大きなインパクトを与える、地域金融機関である当社の経営戦略そのものです。私たちは、本業を通じた社会課題の解決に資する取り組みを一層推進することにより、地域社会の持続的な発展と当社グループの企業価値向上をめざします。引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

※当社および当社連結子会社の国内拠点の合算の2023年度の実績(2013年度比)。

株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ
代表取締役社長

片岡 達也